(※2025年5月1日更新)
目次
- このサイトの情報は「補助金bot」で聞くことができます!
- はじめに(自己紹介)
- 主要な補助金・融資制度一覧
- 1. ものづくり補助金
- 概要
- 対象者(業種・企業規模)
- 対象経費
- 補助率・補助上限額
- 申請条件(必要な要件・注意点)
- 申請フロー(いつ・どこで・どう申請)
- 採択率・審査ポイント
- 関連リンク
- 2. 中小企業省力化投資補助金(省力化補助金)
- 概要
- 対象者(業種・企業規模)
- 対象経費
- 補助率・補助上限額
- 申請条件(必要な要件・注意点)
- 申請フロー(いつ・どこで・どう申請)
- 採択率・審査ポイント
- 関連リンク
- 3. 小規模事業者持続化補助金
- 概要
- 対象者(業種・企業規模・個人など)
- 対象経費
- 補助率・補助上限額
- 申請条件(必要な要件・注意点)
- 申請フロー(いつ・どこで・どのように申請)
- 採択率・審査ポイント
- 関連リンク
- 4. IT導入補助金
- 概要
- 対象者(業種・企業規模)
- 対象経費
- 補助率・補助上限額
- 申請条件(必要な要件・注意点)
- 申請フロー(いつ・どこで・どのように申請)
- 採択率・審査ポイント
- パソコン購入に活用できる「IT導入補助金」の例
- 申請時の注意点
- 申請の流れ
- 申請スケジュール(2025年度)
- 関連リンク
- 5. ローカル10000(ローカル10,000プロジェクト)
- 概要
- 対象者(業種・企業規模)
- 対象経費
- 補助率・補助上限額
- 申請条件(必要な要件・注意点)
- 申請フロー(いつ・どこで・どのように申請)
- 採択率・審査ポイント
- 関連リンク
- 6. 日本政策金融公庫の国民生活事業(創業・小規模事業者向け融資)
- 概要
- 対象者(業種・企業規模・個人など)
- 資金用途・融資メニュー
- 融資限度額・利率など条件
- 申請方法(どこで・どのように)
- ポイント・留意事項
- 関連リンク
- 7. 信用保証協会 スタートアップ支援(創業関連保証)
- 概要
- 対象者(創業の定義・期間など)
- 保証限度額・保証内容
- 申請条件(必要な要件・注意点)
- 制度利用の流れ
- 関連リンク
- 8. 起業支援金(地方創生起業支援事業)
- 概要
- 対象者(起業形態・地域要件など)
- 対象経費
- 補助率・上限額
- 申請手続きと注意点
- 採択率・審査ポイント
- 関連リンク
- 9. 移住支援金(地方創生移住支援事業)
- 概要
- 対象者(移住元・移住先・就業形態など)
- 支給額と受給方法
- 申請手続きと注意点
- 効果と利用状況・審査ポイント
- 関連リンク
- まとめ:自社に合った制度を見つけ、資金調達を成功させよう
- AI顧問・サブスクBPOご予約はこちら
このサイトの情報は「補助金bot」で聞くことができます!
補助金情報を盛り込んだ、補助金bot くんに 補助金情報を聞くことができます!
補助金のことについてなんでも聞いてください!(期間限定。4/30まで。)
「事業を新しく始めたいな」「今取り組んでいる事業を、もっともっと大きく成長させたいな」…そんなふうに考えたとき、多くの経営者の方が頭を悩ませるのが「資金調達」の問題ではないでしょうか。「一体どこからお金を借りたらいいのだろう?」「ちゃんと返せるかな?」「そもそも、融資の審査って通るものなの?」など、資金繰りに関する不安は尽きないものですよね。
特に最近は、どこもかしこも人手不足と言われたり、働き方改革で生産性向上が強く求められたり、あるいは地方の元気を取り戻そうといった社会全体の大きな流れがあります。こうした状況を受けて、国や自治体は、がんばる中小企業や新しい一歩を踏み出す起業家の方々を、様々な形で応援しようとしています。その応援策の中でも、補助金や公的な融資制度は、まさに事業の資金繰りを助けてくれる、心強い味方になりうるんです。
この記事では、2025年版として「これだけは知っておきたいな」という主要な補助金や融資制度を、いくつか厳選してご紹介してみようと思います。「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」のようにすでにご存知の方も多い定番の制度から、新しく始まった「省力化補助金」、そしてこれから創業する方や地方への移住を考えている方を後押ししてくれる制度まで、それぞれの制度がどんなものなのか、どんな人が対象になるのか、どうやって申請するのか、そしてどんな点が審査で重視されるのか、といったポイントを分かりやすく解説していきますね。
今回ご紹介するこれらの制度は、きっとあなたのビジネスを今よりもっと上のステージに進めるための、強力な「後ろ盾」になってくれる可能性を秘めているのではないでしょうか。ぜひ最後までお読みいただいて、あなたの会社や事業にぴったりの資金調達策を見つけるヒントにしていただけたら嬉しいです。
はじめに(自己紹介)
個人事業でAI顧問・サブスクBPOを展開している佐々木と申します。
生成AIスタートアップGraffer出身。
CEO直下で事業開発に携わり、会社に寄与する働きがCEOに評価されました。
これをきっかけに独立。
現在は経営者様の右腕としてスマートな経営をご支援するAI顧問。
サブスクでBPOを発注できるサブスクBPOを展開しています。
御社のビジネスロジックに寄与するのが喜びです。
他社との違いをもたらし、ビジネス競争力を高める参謀として活躍します。
主要な補助金・融資制度一覧
この記事では、日本全国で日々奮闘されている中小企業の経営者さんや、これから新しい事業を始めようという起業家たちが活用できる、代表的な補助金や支援制度について、最新の情報をもとにまとめてみました。ここでは特に、創業や中小企業のさらなる成長を後押ししてくれるような、注目の補助金・融資制度をいくつかピックアップしてご紹介していきます。
1. ものづくり補助金
「ものづくり補助金」、正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」という少し長い名前なのですが、これは中小企業が経営を革新するために行う設備投資などを応援してくれる、国が実施する代表的な補助金制度の一つなんです。
概要
ものづくり補助金は、先ほどもお話ししたように、中小企業が新しい製品やサービスを開発したり、今の生産のやり方をもっと効率的に改善したりして、「生産性をもっと向上させよう!」という取り組みを支援するための制度です。製造業の方はもちろん、サービス業や商業など、本当に幅広い業種の企業が対象になります。2025年に入っても引き続き実施されていて、国の予算(経済産業省の補正予算)によって、定期的に募集が行われているんですよ。この補助金は、単に古い設備を買い替えるだけでなく、「新しいことに挑戦して事業を大きく変えていきたい」という企業の背中を押してくれるような制度と言えるでしょう。
対象者(業種・企業規模)
日本国内で事業を営んでいる中小企業が対象となります。具体的には、「中小企業等経営強化法」という法律で定められている中小企業の範囲に入っていること、が基準になります。例えば、製造業や建設業、運輸業なら資本金が3億円以下か、または従業員が300人以下といった具合に、業種ごとに細かく基準が決まっているんです。会社だけでなく、個人事業主の方も申請できますよ。過去にこの補助金をもらったことがある企業でも、別の事業内容であれば再び申請することも可能なのですが、いくつか条件がありますので確認が必要ですね。
対象経費
この補助金は、生産性を高めたり、今までにない革新的な事業に取り組むために必要な設備やシステムへの投資が幅広く対象となっています。例えば、新製品を作るための最新の機械を買う費用だったり、社内の手続きをもっとスムーズにするためのソフトウェアを作る費用、新しいアイデアの試作品を作るのにかかる材料費や、専門業者に頼む費用なんかも補助の対象になることがあります。他にも、専門家の方にアドバイスをもらう費用や、新しい技術を導入するための費用、特許を取るための費用なども含まれることがあるようですね。ただし、「これは事業に直接関係ないな」と思われるような、例えば普通乗用車を買う費用だったり、土地を買う費用などは対象になりませんので、注意が必要です。あくまで、あなたの事業の生産性をグッと引き上げるための投資、という点が重要になります。
補助率・補助上限額
補助してもらえる金額の割合(補助率)は、中小企業の場合はかかった費用の1/2、小規模企業者(従業員が少ない事業者)や事業を立て直している最中の事業者の場合は2/3、というのが基本的なルールです。補助してもらえる金額の上限(補助上限額)は、会社の規模や、どんな種類の事業に取り組むかによって変わってきます。「一般型」という枠の場合、従業員の人数に応じて750万円から2,500万円までの区分があります(例えば従業員が5人以下なら上限750万円、51人以上なら上限2,500万円といった形です)。さらに、海外への展開を目指すような「グローバル枠」というものもあり、こちらは上限が3,000万円と一律で、補助率は中小企業1/2、小規模企業等2/3となっています。
また、最近は「賃上げ」に積極的に取り組む企業を応援する特別な仕組みもできています。これは、事業を進める期間中に、従業員の給料を一定レベル以上上げる計画を立てて実行した場合に、補助してもらえる金額の上限額が追加で100万円から1,000万円上乗せされる、というものです。さらに、最低賃金を引き上げる努力をしている企業は、たとえ中小企業であっても補助率が2/3に引き上げられる、という特例もあります。これらを活用すると、賃上げなどに前向きな中小企業さんほど、より手厚い補助を受けられる可能性が高まる、ということになりそうです。
申請条件(必要な要件・注意点)
ものづくり補助金に申請するには、「この補助金を使って、具体的にこんな事業をします!」という計画書をしっかりと作って提出することが求められます。計画書には、「この事業で、付加価値額や従業員一人当たりの生産性を年間3%以上増やします」といった、補助事業が終わった後にどんな成果を目指すのか、という目標を具体的に盛り込む必要があります。補助金の対象となる事業は、ただ設備を買い替えるだけではなく、「何か新しい、これまでにない取り組みだね」という点が重視されますので、あなたの事業計画の中で、その新しさや効果を分かりやすく示すことが大切になるでしょう。他にも、過去に補助金を不正にもらったことがないか、暴力団などに関係していないか、といった基本的な応募資格も確認されます。賃上げ特例を利用する場合は、決まった形式の賃上げ計画を提出する必要があり、もし計画通りに達成できなかった場合は、補助金の一部を返さなければならない場合がある、という点も覚えておくと良いでしょう。
申請フロー(いつ・どこで・どう申請)
ものづくり補助金は、1年の間に何度か募集期間が設けられています。2025年も、第19次募集の締め切りまでが予定されているようです。申請はインターネットを使った電子申請システムで行います。まずは、事業計画書や設備の見積もり書など、必要な書類をきちんと準備しましょう。そして、「GビズIDプライム」という法人向けの共通認証システムのアカウントを取得してから、補助金専用の電子申請サイトにアクセスして申請手続きを進めます。締め切り後、提出された書類をもとに審査が行われ、結果が発表された後に、採択された企業は改めて交付申請の手続きを行い、正式に補助金をもらえることが決定(交付決定)します。申請してから採択結果が出るまでには数ヶ月かかることが多いですから、募集のスケジュールを早めに確認して、ゆとりを持って準備に取り掛かるのがおすすめです。ちなみに、各都道府県にある中小企業団体中央会などが、申請に関する相談窓口を設けていますので、「申請書の書き方がわからないな…」といった時には、こうしたところでサポートを受けることもできるんですよ。
採択率・審査ポイント
ものづくり補助金の採択率は、募集が行われるタイミング(公募回)によって少しずつ変わるのですが、最近の傾向としてはだいたい30%から60%の間で推移しているようです。近年は応募する企業が増えていることもあってか、採択率が少しずつ下がっている傾向にあり、直近の第16回公募では約37%と、過去最低に近い水準になったこともあります。審査で特に重視されるのは、「その事業がどれくらい革新的なのか」「市場のニーズに合っているか」「本当に実現可能な計画なのか」という点です。具体的には、「新しい製品やサービスで、他社にはない強みがあるか」「生産性向上などの目標が、数字で具体的に示されているか」「事業計画全体がおかしくないか(自己資金はちゃんと用意できるか、売上や利益の見込みは妥当かなど)」といった部分が細かくチェックされるポイントになります。さらに、国が力を入れている政策(例えば会社のデジタル化、環境に優しい取り組み、そして賃上げなど)に合った取り組みであれば、審査で有利になる(加点される)こともあるようです。採択を勝ち取るためには、補助事業が終わった後にどんな良い影響があるか(例えば売上がどれくらい増えるか、雇用はどうなるかなど)までしっかりと考えて、分かりやすく、そして「これならできそうだ!」と思わせるような説得力のある申請書を作ることが、とても大切になってくるでしょう。
関連リンク
ものづくり補助金について、さらに詳しい情報や最新の公募要領などを確認したい場合は、以下の公式サイトなどをご覧になるのが一番確実です。
- 経済産業省 「ものづくり補助金」公式ページ(公募要領や申請サイトへの案内が掲載されています)
- ミラサポplus 補助金ポータル「ものづくり補助金」紹介ページ
- 全国中小企業団体中央会 ものづくり補助金事務局(公募スケジュールや問合せ先などが分かります)
2. 中小企業省力化投資補助金(省力化補助金)
「省力化補助金」は、最近特に深刻になっている「人手不足」という課題を解決するために、省力化につながる設備を導入する中小企業を応援しよう!という目的で、2024年度(令和6年度)から本格的に始まった、比較的新しい補助金制度です。
概要
この「省力化補助金」(正式名称:中小企業省力化投資補助金)は、その名の通り、中小企業が抱える人手不足の問題を解消するために、業務を楽にしたり自動化したりできる省力化設備を導入することを支援する補助金です。例えば、IoT機器やロボットなどを会社に導入して、今まで人が手作業でやっていたことを自動でできるようにしたり、もっと効率的に業務を進められるようにしたり、といった取り組みが対象になります。この制度は2024年度から本格的にスタートしており、中小企業庁が担当し、中小企業基盤整備機構という組織が事務局として運営しています。この補助金には、あらかじめ事務局が決めた製品リスト(カタログ)に載っている製品を導入する場合の「カタログ注文型」と、個別にオーダーメイドで作るような設備にも対応できる「一般型」の2種類があります。最近の大きな課題である人手不足や、もっと働きやすくしようという動き(働き方改革)に対応するための、注目すべき新しい補助金制度と言えるでしょう。
対象者(業種・企業規模)
日本国内の中小企業や、さらに小規模な事業者の方が対象になります。「労働力が足りなくて困っているな」「もっと会社の生産性を上げたいな」という思いを持って、省力化のための投資をしようと考えている企業が対象です。製造業だけでなく、サービス業や小売業など、本当に様々な業種の方が利用できます。企業規模の基準は、一般的に中小企業基本法で定められている中小企業の定義と同じと考えて良いでしょう(例えば製造業なら従業員が300人以下、といった具合です)。「カタログ注文型」の場合は、この補助金で使える製品として事前に登録されている製品を売っている「販売事業者」さんと一緒に申請する必要があるので、販売店さん側もこの制度に登録している必要があります。まだ事業を始めたばかりの会社でも、「これから3年で労働生産性を3%以上向上させます!」という計画を立てる意思があれば、申請できるようになっています。
対象経費
補助の対象となるのは、まさに人手不足を解消したり、業務を楽にしたりすることにつながる機械やシステムなどの導入にかかる費用です。例えば、今まで時間がかかっていた事務作業を自動で処理してくれるツールだったり、工場で人の代わりに作業をしてくれるロボットやセンサー、AIやIoTの技術を使った業務を管理するシステムなど、「人の手を減らしたり、業務を効率化したりできる製品」を買う費用がこれに当たります。カタログ注文型の場合は、事務局が発行する「製品カタログ」に載っている省力化製品に限られます。製品そのものを買う費用だけでなく、その機械を設置するための工事費用や、ソフトウェアを使い始めるための初期設定費用、使い方を学ぶための研修費用なども、一定の範囲内で補助の対象になることがあります。一般型の場合は、カタログに載っていない、特注で作るような設備の費用も対象になる可能性はありますが、どちらのタイプでも、導入した後に労働生産性が上がる見込みがある設備投資であることが、重要な条件になりますね。
補助率・補助上限額
補助してもらえる金額の割合(補助率)は、中小企業の方でも小規模事業者の方でも、原則としてかかった費用の1/2以内で同じになっています。補助してもらえる金額の上限(補助上限額)は、従業員の人数によって変わってきます。「カタログ注文型」の場合、従業員が5人以下なら上限は200万円、6人から20人なら上限500万円、21人以上なら上限1,000万円と決められています。さらに、「事業期間中に給与総額を6%以上増やし、かつ事業場内で一番低い時給を45円以上引き上げます」といった、一定の賃上げ目標を達成する計画を立てた場合は、補助金の上限額がさらに引き上げられる仕組みがあります。賃上げ特例適用時の上限額は、それぞれ5人以下なら300万円、6人から20人なら750万円、21人以上なら1,500万円となります。補助金額の範囲内であれば、一度に満額使わなくても、何度かに分けて申請して交付を受けることも可能です。一般型の場合の補助率や上限額は、その時の募集要領で個別に定められますが、基本的な補助率は1/2で、オーダーメイドの設備にも対応できるよう、ある程度上限額が設定されているようです(詳しい内容は、その年度の公募要領を確認する必要があります)。
申請条件(必要な要件・注意点)
この省力化補助金に申請するためには、「省力化設備を導入することで、労働生産性を年間平均3%向上させます!」という事業計画を必ず作る必要があります。計画書には、どんな省力化設備を導入するのか、それによってどれくらい効果が出るのか、そして導入後3年間で生産性がどうなるか、といった見込みを具体的に書きます。また、賃上げ特例を使って補助金の上限を上げたい場合は、事業が終わる時に先ほど説明したような賃金アップの目標を達成する計画を立てて申請しなければなりません(もし目標が達成できなかった場合は、補助金の一部を返さなければならない場合がある、という点に注意が必要です)。申請時には、GビズIDを取得したり、事業計画書や設備の見積書などを提出したりする必要があります。特にカタログ注文型の場合は、事前にあなたが選んだ販売店さんと一緒に、連名で申請することになりますので、早めに導入したい製品の販売事業者さんと連絡を取り合って、協力して申請する準備をすることが大切です。なお、一つの企業がもらえる補助金の合計額には上限がある点(例えば一度の申請で上限まで使わなくても、何度かの申請の合計が上限まで利用可能)、そして今後の公募で要件などが変更される可能性もある、という点も頭に入れておくと良いかもしれませんね。
申請フロー(いつ・どこで・どう申請)
省力化補助金の公募は、専用の事務局サイト(中小企業省力化投資補助事業サイト)で情報が公開され、オンラインで申請を受け付けています。まずは準備として、GビズIDプライムへの登録を済ませておきましょう。カタログ注文型の場合は、導入を考えている省力化製品を選んで、その製品を販売している事業者さんから見積書をもらったり、一緒に申請することへの同意を得たりします。公募期間になったら、事務局サイトにある申請フォームに、事業計画や見積書などの必要書類をアップロードして申請します。締め切りが終わると、外部の専門家による審査が行われ、補助金をもらえる企業(採択企業)が決定し、その結果が通知されます。その後、正式に補助金の交付が決定したら、機器の発注や納入を進め、事業が終わったら実績報告書を提出し、内容が確認されれば補助金が支払われる、という流れになります。2024年度は何度か公募が行われていて、最初の募集は令和6年3月から始まりました。具体的なスケジュールや応募方法については、事務局のホームページや「ミラサポplus」などのサイトで随時新しい情報が発表されますので、こまめに確認するのが良いでしょう。
採択率・審査ポイント
省力化補助金はまだ始まったばかりの新しい制度なので、過去の明確な採択率のデータはまだたくさん公表されていません。ただ、新しい制度で予算規模も比較的大きく確保されているようですから、最初のうちは比較的高い採択率になることも期待できるかもしれません。審査で特に重要視されるのは、「導入する設備が、どれくらい具体的に人手を減らしたり効率を上げたりできるか」、そして「事業計画が本当に実現可能な内容か」という点です。具体的には、「その設備を入れたら、どれくらい作業時間が減らせるのか、どれくらい人手を減らせるのか」「その効果が、数字で具体的に示されているか」「会社の経営状況や自己資金は、導入後の運用に耐えられるか」などがチェックされるポイントになりそうです。また、その事業が地域経済に良い影響を与えるか、あるいはDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるという国の方向性に合っているか、といった観点も評価につながるかもしれません。あなたが今抱えている人手不足の課題を、具体的なデータを使って説明し、それをどう省力化設備で解決するのか、ということを分かりやすく、そして説得力のある形で説明することが、この補助金を獲得するための鍵となるのではないでしょうか。
関連リンク
省力化補助金についてもっと知りたい方は、以下の公式サイトなどをチェックしてみてください。
- 中小機構 「中小企業省力化投資補助事業」公式サイト(公募案内や申請受付はこちらから)
- ミラサポplus 解説記事:「担当者に聞く『中小企業省力化投資補助金[カタログ注文型]』」
- 中小企業庁ニュースリリース:省力化投資補助金(一般型)公募開始のお知らせ
3. 小規模事業者持続化補助金
「小規模事業者持続化補助金」は、文字通り「小規模事業者」さんのための補助金です。皆さんが日頃取り組んでいる、お客様を増やしたり、もっと効率よく仕事ができるようにしたり、といった「地道な」努力を応援してくれる、とても使い勝手が良くて人気のある補助金制度なんです。
概要
小規模事業者持続化補助金(一般型)は、小規模事業者の皆さんが経営計画に基づいて行う、商品の販売方法を工夫したり(販路開拓)、日々の業務をもっと効率的にしたりする取り組みを応援してくれる制度です。地域の商工会議所や商工会というところが中心となって実施しており、お店のチラシを作ったり、新しい設備を入れたり、ホームページを作ったりと、本当に幅広い用途で利用できます。補助してもらえる金額の上限は、基本的には50万円まで(かかった費用の2/3を補助)なのですが、特定の条件を満たすと、なんと最大で200万~250万円まで補助額が増える場合もあるんですよ。小規模事業者さんにとっては、本当に「痒い所に手が届く」ような、使い勝手がよく、だからこそ毎年たくさんの方が応募する人気の補助金となっています。この制度は2014年(平成26年)から続いていて、毎年予算が組まれていますので、2024年度以降も引き続き利用できる見込みが高いと言えるでしょう。
対象者(業種・企業規模・個人など)
この補助金の名前にもある通り、「小規模事業者」さんが対象です。「小規模事業者」とは、簡単に言うと、常時働いている従業員の数が少ない事業者のことを指します。具体的には、商業やサービス業(ホテルや娯楽業以外)の場合は従業員が5人以下、製造業やその他の業種(サービス業の一部やホテル業なども含む)の場合は従業員が20人以下の事業者がこれに当たります。会社(法人)だけでなく、個人事業主の方や、株式会社以外の様々な法人格(例えばNPO法人など)でも、この小規模事業者の基準を満たしていれば応募できますよ。あなたが事業を行っている場所が商工会議所の区域内であれば商工会議所が、商工会管轄区域であれば商工会が、それぞれ申請の窓口(事務局)となります。ちなみに、直近の1年間で売上が15億円を超えている事業者や、中小企業ではあるけれども小規模の範囲を超えるような大きな企業は対象外となりますので、注意してください。まだ事業を始めたばかりの零細企業や個人事業主の方にとっても、手厚くサポートしてくれる制度と言えるでしょう。
対象経費
補助の対象となるのは、あなたの会社の売上を増やしたり、仕事をもっと効率的にしたりするために必要な、幅広い種類の費用です。具体的な例としては、お店のチラシを作る費用や、新しいお客さんを集めるためのウェブサイトを作る費用といった広告宣伝費、新しい商品やサービスを開発するための開発費や材料費、商品の生産や販売のプロセスをスムーズにするための小さな設備やソフトウェアを入れる費用(設備費・機械装置費)、お客さんとの商談会や展示会に出展するための費用、さらには業務を効率化するために使う営業用の車両を買う費用(一定の条件を満たせば)や、専門業者に作業を頼む外注費などが挙げられます。つまり、あなたが立てた経営計画に基づいて、「これで売上を増やそう!」「これでコストを減らそう!」という取り組みにかかる費用であれば、かなり柔軟に補助の対象となる可能性があるんです。ただし、オフィスの家賃や光熱費、従業員のお給料など、事業を続ける上で当たり前にかかる経費は対象外ですし、補助金で支払う費用の使い道は、事業計画書の中でしっかりと説明する必要があります。
補助率・補助上限額
補助してもらえる金額の割合(補助率)は、かかった費用の2/3が基本です(ただし、賃上げに取り組み、かつ赤字の事業者さんについては、補助率が3/4に引き上げられる特別な枠もあります)。補助してもらえる金額の上限(補助上限額)は、通常枠であれば50万円となっています。しかし、特定の条件を満たすと、この上限額が増やされる仕組みがあるのが特徴です。例えば、「賃金引上げ枠」では、地域の最低賃金よりも30円以上高い賃金に引き上げる努力をすることで、上限額が50万円からさらに50万円上乗せされて合計100万円になります。また、将来的に従業員を増やして「小規模事業者」の範囲を超え、「中小企業」になることを目指す「卒業枠」では上限が200万円に、事業承継(後継者への引き継ぎ)を行う場合の「後継者支援枠」も上限200万円に、そしてインボイス制度に対応するための会計ソフトなどを導入する「インボイス枠」は、通常枠に一律で50万円が上乗せされます。これらの特別枠をいくつか組み合わせて活用することで、最大で250万円程度まで補助金の上限を引き上げられるケースもあるようです。例えば、賃上げ枠と卒業枠を両方利用した場合などが該当しますが、詳しい条件は必ずその時の公募要領で確認するようにしましょう。
申請条件(必要な要件・注意点)
この補助金に申請するためには、あなたの会社がある地域の商工会議所か商工会のサポートを受けながら作った事業計画書を提出することが必須となります。具体的には、あなたの会社の管轄となっている商工会議所などに経営計画を持って行き、専門の経営指導員さんからアドバイスをもらいながら計画を完成させ、「事業支援計画書(様式4)」という、計画の妥当性を確認してもらった証明書を発行してもらう必要があります。これは、計画が適切かどうか、専門家の目を通してチェックしてもらえる良い機会とも言えるでしょう。計画書には、これからどんな販路開拓などの取り組みをするのか、それによってどんな良い効果が期待できるのか、売上はどれくらい伸びそうか、といったことを具体的に書きます。注意点としては、過去にこの持続化補助金で同じ内容の補助を受けたことがないこと、そして補助金を使った事業が終わった後も、しばらくの間は事業を続けていく意思があること、といった点が挙げられます。また、賃上げ枠などの特別枠を申請する場合は、決められた形式の賃金引上げ計画書も一緒に提出する必要があり、計画通りに進んでいるか報告する義務も発生します。提出する書類としては、事業計画書の他にも、直近の決算書類や見積書、そして補助事業を行うために必要な許認可証のコピー(もし必要なら)などが求められるでしょう。申請書類の様式は、あなたの会社を管轄する商工会議所や商工会のサイトからダウンロードできますよ。募集の締め切りが近くなると、商工会議所などへの相談が大変混み合いますので、早めに計画を立てて相談に行くことをおすすめします。
申請フロー(いつ・どこで・どのように申請)
持続化補助金は、年度ごとに何度か申請の締め切り(公募締切)が設定されます。例えば2023年度は、第14回から第16回までの募集が行われました。まずはあなたの会社を管轄する商工会議所または商工会に連絡して、経営指導員さんなどの助言を受けながら事業計画書を作成・確認書を入手します。その後、必要書類一式をオンラインもしくは郵送で事務局へ提出します(近年はJグランツ等オンライン申請システムでの提出も可能になっています)。締切後、おおむね1~2ヶ月で書面審査・採択結果の発表があり、採択者には交付通知が送られます。交付決定後に事業を実施し、完了後に実績報告書を提出すると、補助金の精算・支払いとなります。なお、申請書の提出先は商工会議所地区と商工会地区で異なるので、自社の所在地に対応する事務局HPを確認してください(商工会議所地区向けと商工会地区向けで応募サイトが分かれています)。公募要領や申請様式は各事務局サイトから入手可能です。
採択率・審査ポイント
この持続化補助金は、以前は「比較的補助金をもらいやすい制度だね」と言われることが多かったのですが、最近は応募する人が増えてきているためか、採択率が少し下がっている傾向にあります。以前は50%~60%くらいの採択率だったようですが、直近では40%台、場合によっては30%台まで落ち込んだ回もあったようです。審査で特に重視されるのは、小規模事業者さんならではの、「地道だけど、ちゃんと効果が見込めそうな取り組みか」や「事業計画がどれくらい具体的で分かりやすいか」という点が特に評価されます。具体的には、「計画しているお客さんを増やすための方法が、あなたの会社の規模に合っていて適切か」「費用は無理なく、妥当な金額か」「補助金を使った後に、どれくらい売上が増えそうか、それが明確に書かれているか」といった点がチェックされるポイントになります。これまでの傾向を見ると、計画書に書く内容が不足していたり、費用の計算根拠が曖昧だったりすると、審査で減点されて不採択になってしまうことが多いようです。逆に、自分の会社の今の状況をしっかり分析して、どんな課題があるかを明確にし、その課題を解決するためにこの補助金でどんな取り組みをするのか、という流れがしっかりできている計画は、評価が高まる傾向があります。加えて、その地域ならではの特産品を扱うなど、地域とのつながりを意識した取り組みや、事業承継や創業と関連付けた計画は、特別枠での加点要素となる場合もあります。全体としては、一歩一歩着実に、そして現実的に実現できそうな計画であること、そして補助金に頼りすぎるのではなく、自分でもしっかり投資して頑張るぞ!という意欲も示すことが、審査を通過するためのポイントと言えるでしょう。
関連リンク
小規模事業者持続化補助金についてもっと詳しく知りたい方は、以下の公式サイトなどをチェックしてみてください。
- 小規模事業者持続化補助金 公式サイト(商工会議所地区)
- 小規模事業者持続化補助金 公式サイト(商工会地区)
- 中小機構 J-Net21 解説ページ「小規模事業者持続化補助金」
- 補助金ポータル 解説記事(補助金の枠や採択率の動向)
4. IT導入補助金
「IT導入補助金」は、中小企業や小規模事業者の皆さんが、もっと仕事を効率的にしたり、売上を伸ばしたりするために、ITツール(例えば、会計ソフトや顧客管理システムなど)を会社に導入する際の費用を応援してくれる制度です。まさに、皆さんの会社のデジタル化を進める上で、なくてはならない大切な補助金と言えるでしょう。
概要
IT導入補助金(正式名称:サービス等生産性向上IT導入支援事業)は、中小企業・小規模事業者が自社の業務効率化や売上向上のためにITツール(ソフトウェアやサービス)を導入する際の費用を一部支援する補助金です。会計ソフトや顧客管理システム、EC構築など様々なITツール導入に活用でき、毎年多くの企業が利用しています。複雑なITツール選定を支援するため事前に登録されたITツールのみが対象となり、導入支援事業者(ITベンダー等)と二人三脚で申請する仕組みになっています。2024年度の制度では「通常枠」のほか、セキュリティ対策を強化する「セキュリティ対策推進枠」やインボイス制度対応ソフト普及のための「インボイス枠」などが設けられています。DX推進の一環として、中小企業のデジタル化を後押しする代表的な補助金制度と言えるでしょう。
対象者(業種・企業規模)
中小企業・小規模事業者であれば業種問わず幅広く対象になります。製造業、卸・小売業、サービス業、医療・介護・保育事業者、飲食・宿泊業など幅広い分野の中小企業が利用できます。大企業(資本金や従業員規模が中小企業の範囲を超える企業)は対象外です。また、反社会的勢力でないことや、暴力団排除に関する誓約など基本的な要件への同意が必要です。申請にあたっては、IT導入支援事業者(登録されたシステムベンダーやIT企業)を通じて行う必要があるため、まず公式サイトで登録ITベンダーを選び相談する形になります。個別のフリーランスや創業予定者でも、事業形態が中小企業相当であれば申請可能ですが、導入後に確実に事業で利用することが前提となります。
対象経費
ITツール(ソフトウェア、クラウドサービス等)の導入費用が主な補助対象です。具体的には、会計・在庫・顧客管理など業務ソフトウェアのライセンス費用、クラウドサービスの利用料(一定期間分前払い分)、ホームページ制作や予約システム導入費などが該当します。また、それらITツールを円滑に使うための設定費や導入コンサルティング費用も含めて補助対象となります。近年の特例では、インボイス制度対応の会計ソフト導入や、サイバーセキュリティ強化のためのソフトウェア更新費用も対象経費として認められています。なお、パソコンやタブレット等のハードウェアは原則対象外ですが、デジタル化基盤導入枠など一部類型では上限内でハード購入費が認められるケースもあります(例:会計ソフトとセットで導入するタブレット端末等)。基本的にはITベンダーが提案するプラン内の費用一式が補助対象になると考えるとよいでしょう。
補助率・補助上限額
補助率と上限額は導入するITツールの種類や組み合わせ(プロセス数)によって異なります。通常枠では補助率1/2以内が基本で、導入するソフトの機能が1つ以上の場合は補助上限150万円、4つ以上の機能(業務プロセス)を有するソフトを導入する場合は補助上限450万円まで引き上がります。例えば、会計のみの単機能ソフト導入なら上限150万円(補助率1/2)、販売・在庫・人事労務・会計を統合したERP的ソフト導入なら上限450万円というイメージです。なお、賃上げ目標の設定が申請要件化されており、補助額150万円以上を申請する場合は事業計画期間中に「事業場内最低賃金+50円以上」に引き上げること等が求められます。
特別枠として、デジタル化基盤導入枠では低価格な汎用ツール導入を支援するため補助率が優遇され、小規模事業者なら補助率3/4(上限50万円)、それ以上で2/3(上限350万円)といった設定があります。またインボイス枠やセキュリティ対策推進枠では、必要なITツール類型を導入することで別途加点や優先採択が行われるほか、補助率・上限は通常枠と同様または一部拡充となっています。例えばインボイス枠(インボイス対応ITツール導入類型)は通常枠と同条件ながら採択率が高い傾向にあり、セキュリティ枠ではセキュリティソフト費用も含め2/3補助・上限数十万円が設定されています。最新の公募要領で自社の導入計画に合致する類型と補助額上限を確認することが大切です。
申請条件(必要な要件・注意点)
IT導入補助金の申請には、事前登録されたIT導入支援事業者を経由することが必須です。企業単独で申請することはできず、登録ITベンダーと相談して導入ツールや経費内訳を決め、ベンダーの支援のもとオンライン申請システム(IT導入補助金ポータル)から申請します。申請時には自社の現在の課題、導入するITツールで解決したい内容、将来の業務効率や売上の見込みなどを記載する計画書を作成します。また、先述の賃上げ目標(最低賃金+○円、給与総額○%向上)に関する計画の入力も求められます。注意点として、不正受給歴がないこと、暴力団等と関係がないことなど一般要件を満たすことはもちろん、反復利用の制限にも留意が必要です。一度採択された企業は一定期間は再度同じ類型で申請できない場合があります(年度によって条件変動)。また、補助対象とならない経費(ハードウェア単体購入や自社人件費など)を混ぜないよう、見積内容を支援事業者とよく確認することも重要です。導入後は事業効果報告(例えば3年間、毎年売上や生産性の報告)を行う義務もあります。
申請フロー(いつ・どこで・どのように申請)
公募は年間で複数回予定されており、それぞれ申請受付期間と交付決定時期が公表されます。まず公式サイトの「IT導入補助金」ページで公募要領を確認し、登録IT導入支援事業者一覧からパートナーとなるITベンダーを選定します。次に、その支援事業者と打ち合わせて自社に適したITツールや導入プランを決定し、見積書を受領します。gBizIDプライムアカウントを取得した上で、IT導入補助金の申請マイページに企業情報や事業計画等を入力し、ITベンダー側もシステム上で導入ツールや金額を登録して申請を完了させます。締切後、事務局による形式チェック・審査が行われ、採択結果が公表されます。2024年の例では、1次公募は4月頃、2次公募は夏頃…と年に数回締切が設定されました。採択後は交付決定を経て、ITツールの契約・支払い・導入作業を行い、事業完了報告を提出すると補助金が支払われます。なお、交付決定前に契約・支出した費用は原則補助対象とならないため、必ず交付決定を待ってから導入を進める必要があります。
採択率・審査ポイント
IT導入補助金は他の競争的補助金に比べると比較的採択されやすいと言われています。実際、通常枠の直近公募では70%以上の採択率となった回もあります。一方で申請内容に不備があれば不採択となるため注意は必要です。審査では、ITツール導入による事業効率化・売上向上の効果が明確か、計画が具体的か、といった点が見られます。また、所定の賃上げ目標を計画しているかもチェックポイントです。加点要素として、複数の業務プロセスにまたがる複合的なIT活用(プロセス数の多いツール)は評価が高くなり得ます。インボイス制度対応やセキュリティ対策など政策課題に合致する導入内容もプラスに働くでしょう。基本的には要件を満たした申請であればよほどのことがない限り採択される傾向ですが、予算超過時には事業計画の完成度が物を言います。支援事業者と協力し、企業の課題とIT導入後の効果を定量・定性両面でしっかり記述した計画に仕上げることが重要です。
パソコン購入に活用できる「IT導入補助金」の例
対象となる申請枠
パソコンなどのハードウェアが補助対象となるのは、「インボイス枠(インボイス対応類型)」です。
この枠では、インボイス制度に対応した会計ソフトや受発注ソフト、決済ソフトなどのソフトウェアとセットで、パソコンやタブレットなどのハードウェアを導入する場合に補助が受けられます。
補助対象と補助額
- ソフトウェア:
会計、受発注、決済のいずれかの機能を有するもの。 - ハードウェア:
パソコン、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機、POSレジ、モバイルPOSレジ、券売機など。 - 補助率:
ハードウェアは1/2以内。 - 補助上限額:
パソコン・タブレットは10万円、その他のハードウェアは20万円。
例えば、20万円のパソコンを購入する場合、最大10万円の補助が受けられます。
申請時の注意点
- ハードウェア単体での申請は不可
パソコンなどのハードウェアのみを購入する場合は補助対象外です。必ず、対象ソフトウェアとセットで導入が必要です。 - IT導入支援事業者との共同申請が必要
補助金の申請は、IT導入支援事業者と共同で行います。これらの事業者は、補助対象のITツールを提供し、申請手続きもサポートします。 - 購入先の制限あり
家電量販店や一般のECサイトで購入したパソコンは補助対象外。必ず、IT導入支援事業者を通じて購入しましょう。
申請の流れ
- IT導入支援事業者の選定
まず、IT導入支援事業者を選びます。(公式サイトで確認可能) - 導入するITツールの選定
事業者と相談し、導入するソフトウェアとハードウェアを決定します。 - 交付申請の準備
必要書類を用意し、事業者と共同で交付申請を行います。 - 交付決定後の購入・導入
交付決定後に、選定したソフトウェアとハードウェアを購入・導入します。 - 実績報告の提出
導入後、実績報告を提出し、補助金の交付を受けます。
申請スケジュール(2025年度)
- 交付申請期間:2025年3月31日(月)受付開始
- 1次締切:2025年5月12日(月)
- 交付決定日:2025年6月18日(水)(予定)
- 事業実施期間:交付決定~2025年12月26日(金)17:00(予定)
- 事業実績報告期限:2025年12月26日(金)(予定)
詳細なスケジュールや申請方法は、IT導入補助金の公式サイトをご確認ください。
関連リンク
IT導入補助金について、さらに詳しく知りたい方は、以下の公式サイトなどをチェックしてみてください。
- IT導入補助金 公式サイト(事務局であるIT導入支援事業ポータルはこちら)
- 2024年度 IT導入補助金 公募要領(通常枠)(申請前に必ず確認しましょう)
- 中小企業庁 ミラサポplus 補助金解説ページ
5. ローカル10000(ローカル10,000プロジェクト)
「ローカル10000プロジェクト」は、総務省が中心となって進めている、「地域の資源を活かして新しいビジネスを始めて、地元を元気にしよう!」という大型の補助制度です。
概要
ローカル10000プロジェクトは、総務省が主導する地域に根差した起業を応援する制度です。これは、地域の企業、大学、銀行、そして役所などが力を合わせて、その地域ならではの資源や資金を使いながら、新しいビジネスを立ち上げ、その地域に仕事を生み出すことを目指しています。具体的には、地方の市町村が、国からの支援金と自分たちの予算を組み合わせて、地域で事業を始める民間の事業者さんが最初の投資にかかる費用を助けてくれる、という仕組みです。なんと、最大で5,000万円という、他の補助金と比べてもかなり大きな金額の補助が受けられる可能性がある点が特徴です。日本全国で、地域経済を活性化させるような起業プロジェクトを累計で10,000件も作り出そう!という壮大な構想から、「ローカル10000」という名前が付けられています。令和元年(2019年)にスタートし、令和7年度(2025年)からは、制度の要件が少し緩和されて、さらに使いやすくなるよう改善されているようです。
対象者(業種・企業規模)
この制度の対象となるのは、「その地域が抱える課題を解決したり、地域をもっと魅力的にしたりすることにつながるビジネスを、新しく始める民間の事業者さん」です。会社でも個人事業主でも構いません。その地域ならではの魅力的な資源(例えば地元の農産物や観光資源、文化など)を活かした事業計画を持っていて、かつ、地元の金融機関から融資を受けて事業に取り組む方が対象となります。例えば、人口が減っている地域で観光を盛り上げる事業や、地元で作られた農産品に付加価値をつけて加工・販売する事業、お年寄りの買い物を助ける移動販売、子育てをサポートするサービスなど、本当に様々な分野での起業プランが考えられますね。すでに事業をしている会社が、全く新しい分野に進出する場合や、新しく別の会社を設立して事業を行う場合(第二創業)なども対象になる可能性はありますが、重要なのは、その事業が「地域に新しい雇用を生み出すこと」、そして「地元の銀行などから融資を受けること」です。ですから、自分のお金だけで全てをまかなう計画や、民間の投資家からの資金だけで完結するような計画よりも、地元の銀行などとしっかり連携して資金計画を立てていることが、この制度に応募するための前提となるでしょう。
対象経費
補助の対象となるのは、新しく事業を始めるためにかかる初期投資費用が幅広く認められています。具体的には、新しい事業を行うための工場やお店の建物を建てたり、改装したりする費用(施設整備費)(ただし、土地を買う費用は対象外です)、商品を作るための設備や作業機械、システムを開発するための費用(機械装置費)(これには設計費用やソフトウェアの開発費用、特許を取得するための費用なども含まれる)、事業に必要な車両や備品の購入費用(リース料も可)、さらには事業に関連して地域の大学等が行う調査研究費まで対象となります。要するに、起業初期にかかる大部分の設備投資・物的経費が補助対象となり得ます。人件費や運転資金そのものは対象外ですが、起業支援金とは異なり運転資金については地域金融機関からの融資で賄う前提となっています。なお、対象経費の具体範囲や細かな要件(例:車両は原則対象外だが事業上不可欠な特殊車両は認める等)は各自治体・事業ごとに定められているので、公募要領を確認する必要があります。
補助率・補助上限額
ローカル10000では、地方公共団体が行う国庫補助事業としての補助と、それに準じた地方単独事業としての補助の2種類があります。基本的な補助率は国と地方の公費負担で事業費の1/2を補助(1/2が補助率)となります。ただし、条件不利地域(過疎・山間・離島・半島等)で財政力の弱い市町村が行う事業では補助率が2/3または3/4に引き上げられる特例があります。また、デジタル技術活用や脱炭素、女性・若者活躍といった国の重点施策分野の事業については、国費による上乗せ措置があり、実質的な補助率や上限額が拡充される場合があります。
補助額の上限は、創業計画における金融機関からの融資額とのバランスで決まります。一般的なケースでは上限2,500万円(この場合、融資額が補助額の1.5倍以上2倍未満であることが条件)で、融資額が補助額の2倍以上確保できる場合は上限5,000万円まで引き上げられます。例えば1億円の融資を地元銀行から受ける計画なら補助上限5,000万円となり、総事業費の半分を公費(国と自治体)で負担するイメージです。一方、地方単独事業として市町村が独自に実施する場合の補助は上限1,500万円程度にとどまります。なお、補助金は基本的に交付決定後の精算払いで、事業者は一旦全額を立替えた上で補助額の交付を受ける形になります。
申請条件(必要な要件・注意点)
ローカル10000プロジェクトの補助金を受けるには、まずあなたが事業を行いたいと考えている自治体が募集する「起業支援事業」の公募に応募して、採択される必要があります。主な要件としては、事業を始める場所が東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)以外の地域、または東京圏内であっても「条件不利地域」(過疎地域など)であること、補助事業の期間が終わる日までに個人事業の開業届を出すか、会社を設立すること、そして起業する地域(都道府県)に住んでいる(または、この補助金をもらったら住む予定である)こと、などが挙げられます。簡単に言うと、東京23区などの大都市ではなく、地方で新しく地域のためになる社会性の高い事業を始めて、その地域にしっかりと住むこと、が条件になります。東京から地方へ移住して起業する方(Uターン・Iターン創業)はもちろん、もともとその地域に住んでいる方が地元で新しい事業を始める場合でも対象になる可能性があります。なお、すでに事業をしている方が全く新しい分野に進出する場合(第二創業)や、事業を引き継いで創業する場合も対象に含まれますが、その場合は「Society5.0関連などの、これから成長が期待される分野」といった、事業内容に関する追加の条件があるようです。また、応募する時点で、個人でも法人でも代表者が過去に起業支援金(後述)をもらったことがないことや、暴力団などと関係がないこと、といった基本的な要件も確認されます。
申請フロー(いつ・どこで・どのように申請)
ローカル10000プロジェクトの公募は、それぞれの都道府県や市町村が主体となって行います。まず、国(総務省)から各自治体に対して、「こういう事業に国がお金を出すことができますよ」という案内があり、それを受けて自治体ごとに、「うちの地域でこんな起業家さんを応援したい!」という候補案件を募集する、という流れです。例えば、ある都道府県では年に1回か2回、起業支援の対象となりそうな事業を募集し、応募があった計画を書類で審査したり、応募者にプレゼンテーションをしてもらったりして、補助金を出す対象者(採択者)を決定します。採択されると、その自治体と事業者さんとの間で、補助金事業を進めるための約束事(協定)を結び、国にも「こういう事業を応援しますよ」と報告されます。その後、事業者さんは計画に沿って起業の準備や設備投資を進めていき、その間、自治体から専門家を派遣してもらったり、定期的に状況を聞いてもらったりといったサポート(伴走支援)を受けられることもあります。事業が完了したら、実際にかかった費用を報告し、内容の確認を経て、補助金が支払われます。公募に応募してから実際に補助金がもらえるまでの期間は、プロジェクトの規模にもよりますが、大きな事業の場合は1年から2年かかることもあります。なお、自治体によっては「いつでも応募を受け付けていますよ(随時募集)」という場合と、「今年度は〇月が締め切りです」と期間を決めて募集する場合とがあります。また、都道府県が中心となって、その下の市町村と協力して実施するケースもあるため、一番確実な情報は、事業を行いたいと考えている地域の自治体(県庁や市役所など)の公式な発表を確認することでしょう。
採択率・審査ポイント
ローカル10000プロジェクトの採択される件数は、その自治体の予算の上限と、応募してきた件数によって決まります。大型の補助金なので、そもそも応募できる条件を満たす人が限られている場合もあり、一概に「何パーセントくらい採択されます」とは言えません。ただ、公表されているデータは少ないものの、しっかりと準備された計画であれば、比較的採択される可能性は高いとされています。審査で特に重視されるのは、「その事業が、地域が抱える課題にどれくらい貢献できるか」、「事業計画が本当に実現可能な内容か」、そして「地域の中で協力してくれる体制が整っているか」という3つの点です。具体的には、「その事業によって、地域にどれくらい新しい仕事が生まれるか、どんな課題が解決できるか」「事業計画や、売上・費用の見込みが無理なく、実現できそうか(融資も含めて)」「地元の自治体や、金融機関、大学などのサポートが得られそうか」といった観点で見られます。新しいアイデアで、他の地域でもモデルになるような事業は高く評価されますが、「地域のため」という気持ちが先行しすぎて、事業として収益が見込めないようなプランだと、「長く続けるのは難しいね」と判断されてしまう可能性があります。ですから、「地域のためになる」という社会性と、「事業としてきちんと成り立つ」という収益性のバランスが、とても重要になります。起業家さんの熱意や、事業を進める力、一緒に働く人のことなども、面談などで見られるでしょう。全体的に、その地域の将来像を描きながら、地に足の着いたしっかりとしたビジネスプランになっているか、という点が採択されるかどうかの鍵となりそうです。
関連リンク
ローカル10000プロジェクトについて、さらに詳しい情報や最新の実施状況などを確認したい場合は、以下の公式サイトなどをご覧になるのがおすすめです。
- 総務省 地域経済循環創造事業交付金(ローカル10000プロジェクト)概要ページ
- 総務省 発表資料:「地域経済循環創造事業交付金について(令和6年12月改正)”(制度の改正点なども分かります)
- 起業支援に関するコラムなどで、「ローカル10000プロジェクト」を詳しく解説している記事(検索して探すことができます)
6. 日本政策金融公庫の国民生活事業(創業・小規模事業者向け融資)
日本政策金融公庫、略して「日本公庫」の国民生活事業は、「これから事業を始めたいな」と考えている方や、小規模な事業者さんにとって、比較的低い金利で資金を借りることができる、本当に心強い味方となる公的な機関です。これは補助金とは違い、お金を借りる「融資」の制度ですが、起業や経営を応援する上で非常に重要な役割を果たしていますので、ここでご紹介します。
概要
日本政策金融公庫の国民生活事業は、小規模事業者や創業希望者向けの公的融資を行う機関です。補助金ではなく低利の公的融資制度ですが、起業・経営支援策として重要なのでここに含めます。国民生活事業では、新規開業資金や運転資金など様々なメニューがあり、代表的なものに無担保・保証人なしで利用できる「新創業融資制度」、女性・若者・シニア起業家向けの「新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」、小規模事業者の経営改善を支援する「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」などがあります。日本公庫は政府系金融機関として民間金融機関では融資が難しい創業期の事業者にも積極的に貸付を行っており、多くの起業家が創業時の資金調達に活用しています。
対象者(業種・企業規模・個人など)
基本的に広く中小企業・小規模事業者(会社員から独立する創業予定者や創業後間もない個人事業主を含む)が対象となります。業種も製造業からサービス業まで幅広く、日本公庫の定める融資制度ごとに細かな条件があります。新創業融資制度は「新たに事業を始める人」または「創業後概ね7年以内の人」が利用でき、雇用創出や新規性など一定の要件(現在では自己資金要件は事実上撤廃)を満たせば無担保・第三者保証人なしで借入可能な制度です。また新規開業支援資金(女性、若者/シニア向け)は女性または35歳未満もしくは55歳以上の起業家が利用できる制度で、設備資金7,200万円・運転資金4,800万円を上限として長期融資を受けられます。小規模事業者向けのマル経融資は従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)の事業者が、商工会議所等の推薦を受けて申し込む無担保融資です。いずれにせよ、融資ですので返済可能な事業計画・信用力が前提となりますが、日本公庫は創業期で実績が乏しいケースにも積極的に対応してくれる点で民間銀行と異なります。
資金用途・融資メニュー
日本公庫国民生活事業の融資は、運転資金(事業運営に必要な資金)と設備資金(設備投資に必要な資金)に大別されます。創業時には店舗取得費や機械購入費、人件費や仕入資金など多様な資金需要がありますが、それぞれに合わせた融資メニューが用意されています。主なものを挙げると:
- 新規開業資金:新たに事業を始める方向けの一般的な創業融資。原則担保・保証人が必要ですが、後述の新創業融資制度と組み合わせて無担保とすることも可能です。
- 新創業融資制度:上記の通り無担保・無保証人で利用できる創業者向け特別貸付。自己資金要件は実質撤廃されましたが、創業計画の内容による審査があります。限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)程度が目安。
- 女性、若者/シニア起業家支援資金:女性または35歳未満もしくは55歳以上の起業家向けに金利優遇された貸付。融資限度額が設備7,200万・運転4,800万と高めで、長期返済が可能です(設備20年、運転15年など)。
- 普通貸付:事業開始後も含め幅広い用途に使える一般貸付。限度額4,800万円(うち運転4,800万)で必要に応じ担保提供します。
- 生活衛生融資:飲食業・美容業・旅館業など生活衛生関係営業の事業者向け貸付。所管行政(厚労省)の指導に基づき組合の推薦を経て低利融資が受けられます。
- マル経融資(小規模事業者経営改善資金):商工会議所等の推薦により、無担保・無保証人・低利で最大2,000万円まで借入可能な制度。既存小規模事業者の運転資金ニーズに対応。
この他にも、新型コロナ対策等のセーフティネット貸付や、事業転換・新事業開拓向けの資金(新事業活動促進資金)など、多彩なメニューがあります。必要に応じて日本公庫の融資担当と相談し、適切なメニューを選択する形になります。
融資限度額・利率など条件
融資条件は制度によって異なりますが、例として新規開業・スタートアップ支援資金(女性・若者/シニア)の場合、先述の通り融資限度額は設備資金7,200万円(運転資金4,800万円)、返済期間は設備資金20年以内・運転資金10年以内と長期で設定されています。利率は政策金利(水準は日本公庫が公表)に基づき、条件により優遇があります。土地取得資金以外は基準利率より低い金利が適用される点が特徴です。無担保の新創業融資制度では通常、限度額3,000万円程度で金利は2%前後(実績や計画によって多少上下)となることが多いです。マル経融資はさらに低利で1%台前半(2023年度実績で1.1%程度)と非常に借りやすい条件です。日本公庫の融資は市中金融機関より概して低金利・長期返済で、元本据置期間の設定も可能な場合があります。保証人に関しては、法人代表者は原則本人保証が求められますが、第三者保証や配偶者保証は不要です(経営者保証免除の特例もあり)。担保も、小規模企業向け融資は無担保が多く、必要な場合でも不動産や保証協会付き保証などケースバイケースです。融資審査では事業計画の妥当性、自己資金割合、創業者の経験・信用情報などがチェックされます。
申請方法(どこで・どのように)
日本公庫への融資申込は、最寄りの日本政策金融公庫支店(国民生活事業担当)で行います。まず相談予約を入れ、担当者と事前面談して融資制度の案内を受けることもできます。正式な申込時には所定の借入申込書に加え、創業計画書(事業計画書)や見積書、履歴事項全部証明書(法人の場合)などを提出します。創業前の場合は事業計画書が重視され、創業後なら直近の試算表や決算書が必要です。また代表者個人の収入・資産状況を示す資料や、場合によっては保証人の印鑑証明書等も求められます。申込後、日本公庫の担当者との面談(ヒアリング)があります。資金使途や事業見通し、創業の動機や経験など細かく質問されますが、計画の実現性をアピールする場でもあります。その後1~3週間程度で審査結果の連絡があり、融資内定となれば契約手続を経て指定口座へ融資金が振り込まれます。創業融資の場合、申し込みから受領まで概ね1ヶ月前後が目安です。申込は随時受付で、公募のような締切はありませんので準備が整い次第いつでも申請できます。
ポイント・留意事項
- 自己資金の有無:制度上要件ではなくなりましたが、創業融資審査では自己資金比率が重視されます。可能な限り自己資金を用意し、計画全体の1/3程度以上は投入するのが望ましいと言われます。
- 経験・関連性:創業者の業界経験や資格があると計画の説得力が高まります。未経験分野での起業の場合は、研修歴や人材確保状況など補完要素を示しましょう。
- 返済シミュレーション:借入額と売上計画から無理のない返済計画かをチェックされます。売上見通しは慎重に設定し、赤字期間も返済できる資金繰りであることを説明できると安心です。
- 税金・信用情報:過去に金融事故(ローン延滞等)がないか、税金や社会保険の未納がないか等も見られます。不備があると融資は難しいため事前に解消しておきます。
- 創業サポート活用:日本公庫と連携する認定支援機関(商工会議所等や金融機関)が事業計画作成をサポートしてくれる制度もあります。必要なら専門家の力を借りましょう。
関連リンク
日本公庫の創業融資について、さらに詳しく知りたい方は、以下の公式サイトなどをチェックしてみてください。
- 日本政策金融公庫 国民生活事業「創業融資のご案内」
- 日本公庫 FAQ(創業をお考えの方 Q&A)
- 創業融資について、民間の方が分かりやすく解説しているサイトなども参考にしてみると良いでしょう(「新創業融資制度」の最新情報なども見つかるかもしれません)。
7. 信用保証協会 スタートアップ支援(創業関連保証)
「信用保証協会」というのは、事業を始めたばかりの企業が銀行などからお金を借りる際に、公的な「保証人」となって、資金調達がスムーズにできるように手助けしてくれる制度です。特に「スタートアップ支援」として、創業期の企業を応援する様々な保証制度を用意しています。
概要
信用保証協会のスタートアップ支援とは、創業期の中小企業が金融機関から融資を受けやすくするための保証制度を指します。信用保証協会は各都道府県にあり、中小企業が銀行等から借入を行う際に公的保証人となることで融資実行を後押ししています。その中でも創業者向けの保証枠を「創業関連保証」と言い、無担保で利用できる保証枠(最大2,000~3,500万円)を提供しています。これにより、実績がない起業直後でも銀行融資を引き出しやすくなります。また、経営者保証(代表者個人の連帯保証)についても、一定の条件下で不要とする新しい保証制度(スタートアップ保証制度)が整備されています。つまり、信用保証協会のスタートアップ支援を活用すれば、創業時に公的保証付き・場合によっては経営者保証なしで資金調達が可能になるわけです。
対象者(創業の定義・期間など)
創業を予定している方または創業後概ね5年以内の中小企業が対象です。各保証協会によって若干定義は異なりますが、「創業関連保証」は通常、法人設立または個人開業から5年未満の事業者、あるいは事業開始前(6ヶ月以内に開業予定)の人も含みます。さらに、過去に事業に失敗した方の再チャレンジを支援する再挑戦支援保証もあり、こちらは一度廃業・清算を経験した創業希望者が対象です。また、雇用の創出や新技術開発など積極的なスタートアップを促すため、スタートアップ創出促進保証制度という枠も用意されており、これは経営者保証を免除する代わりに保証料が若干上乗せされるタイプの保証です。基本的に業種は問わず、中小企業信用保険法の保証対象業種(金融・投機的業種等以外のほとんど全ての業種)がカバーされます。
保証限度額・保証内容
創業関連保証は、一般保証と別枠で2,000万円(再挑戦支援保証を含め最大合計3,500万円まで)を限度として利用できます。例えば、通常の保証とは別に創業者は無担保2,000万円まで保証付き融資を受けられるイメージです。保証割合は制度により80%保証と100%保証がありますが、創業関連保証は協会が融資額の100%を保証する場合が多く、金融機関にとってリスクゼロとなるため融資実行されやすい特徴があります。保証協会の保証が付くと、借り手は銀行に対しては元利返済義務を負いますが、万一返済不能になった場合は保証協会が代位弁済してくれます(その後、保証協会に対して求償債務を負うことになります)。保証料は年率で借入残高に対し約1%前後(0.8~2.2%程度、信用力等で変動)を初回一括前払いしますが、自治体によってはこの保証料を一部補助してくれる制度もあります。また、経営者保証を不要とする創業保証(スタートアップ保証)の場合、通常の保証料率に0.2%上乗せした料率になるというルールがあります。この経営者保証無し保証を利用するには、創業1年以内(条件満たせば3年以内)の事業者であることや、事業が個人に過度に依存しないことなどの一定要件があります。
申請条件(必要な要件・注意点)
創業関連保証を受けるには、まず金融機関から融資を受けることが前提となります。したがって、事業計画や資金計画を用意し金融機関に融資申し込みを行います。その際「信用保証協会の保証付融資を利用したい」旨を伝えると、金融機関が保証協会に保証審査を申し込んでくれます。創業者の場合、事業計画書や開業届写し、見積書などを求められ、保証協会との面談がセットされることもあります。保証利用の主な条件は、「事業計画の妥当性・収支見通し」「代表者の経歴や信用に問題がないこと」「自己資金や資本が一定程度投入されていること」などです。加えて、経営者保証を付けない保証を希望する場合は、金融機関所定のチェックリストで要件(法人と個人の財産分離が適切、資金調達が自己資金中心 etc.)を満たす必要があります。注意点として、保証協会の保証はあくまで借入の保証であって返済義務が免除されるわけではありません。また保証付き融資にも利息(金融機関所定の利率)がかかります。創業融資の場合、自治体の制度融資と組み合わせて低利になるケースもあります。例えば自治体が利子補給や保証料補助を行う「創業支援融資制度」を利用すると、年利1%台の固定金利融資+保証料ゼロといった優遇条件で借りられることもあります。地域によって制度融資の有無が異なるため、地元の制度も調べておくとよいでしょう。保証審査に通れば金融機関から融資実行となり、その後保証料支払いと保証開始という流れです。
制度利用の流れ
信用保証協会のスタートアップ支援(創業関連保証)を利用する場合の一般的な流れは、以下のようになります。
- 事前相談:創業計画段階で地元の信用保証協会や金融機関に相談します。保証協会では創業支援専門部署を設けているところもあり、計画書のブラッシュアップなどアドバイスが得られます。
- 金融機関へ融資申込:希望の融資額・用途を金融機関に申し込み、保証付きで進めたい旨を伝えます。金融機関によるヒアリング・社内審査の後、保証協会に保証申込がなされます。
- 保証協会の審査:保証協会が事業計画や代表者の信用情報などを審査します。必要に応じて創業者本人との面談や現地確認が行われます。
- 保証決定・融資実行:保証協会が保証を引き受けると金融機関に保証書が発行され、金融機関から借入金が支払われます。
- 保証料支払:借入実行時に企業側から保証協会へ所定の保証料を支払います(一括前払い)。自治体補助がある場合、後日補助申請して保証料の一部が戻ります。
- 返済・フォロー:あとは金融機関への返済を計画通り行っていきます。創業後は保証協会や金融機関から経営フォローの案内があることもあります。順調に返済すれば保証も期間終了で消滅します。
関連リンク
信用保証協会の創業関連保証について、さらに詳しく知りたい方は、以下の公式サイトなどをチェックしてみてください。
- 全国信用保証協会連合会 「創業をお考えの方」案内ページ(創業関連保証・再挑戦保証・スタートアップ保証の概要)
- 東京信用保証協会 「創業保証のご案内」(創業計画書様式やQ&A)
- 中小企業庁:経営者保証を不要とする創業時の新しい保証制度に関する資料
8. 起業支援金(地方創生起業支援事業)
「起業支援金」は、国が進める「地方創生」という大きな取り組みの一環として実施されている補助制度です。これは、その地域が抱える課題を解決するようなビジネスを、地方で新しく始めよう!という起業家さんを応援してくれる制度です。
概要
起業支援金は、地方創生の一環として各都道府県が実施する社会的事業の創業支援制度です。地方版総合戦略に基づき、地域課題の解決に資するビジネスを新たに起業する人に対して、創業経費の一部を助成するものです。補助額は上限200万円(経費の1/2補助)で、書類審査・面接等を経て採択された創業者に交付されます。この起業支援金は、後述の移住支援金とセットで実施されるケースが多く、とりわけ東京圏から地方へ移住して地域課題解決型ビジネスを始める人に対する支援として位置づけられています。地域の子育て支援、買い物弱者支援、地域産品を活かした事業、まちづくり事業など、いわゆる社会的起業(ソーシャルビジネス)に重点が置かれている制度と言えるでしょう。
対象者(起業形態・地域要件など)
地域課題の解決に資する社会的事業を起業する方が対象です。都道府県ごとに公募され、応募時点で以下の条件を全て満たす必要があります:
- 起業場所が「東京圏以外の道府県」または東京圏内でも「条件不利地域」(過疎地域等)であること。
- 交付決定日から補助事業期間終了日までに個人事業の開業届提出または法人設立を行うこと。
- 起業する地域(都道府県)内に居住しているか、交付決定後に居住する予定であること。
要は、東京23区など大都市ではなく地方圏で新たに社会性の高い事業を始め、その地域に住むことが条件です。Uターン・Iターン創業者はもちろん、地元在住者が地元で新規創業する場合も対象になり得ます。なお、第二創業(既存事業者による新分野進出)や事業承継による創業も対象に含まれていますが、その場合は分野要件が「Society5.0関連等の高付加価値分野」といった追加条件があります。また、応募時点で個人・法人問わず代表者が過去に起業支援金を受けていないことや、暴力団等と無関係であることなど基本要件もあります。
対象経費
起業に直接必要な経費のうち、補助対象と認められたものが支援金の対象です。具体例としては、起業にあたっての設備費・資材費(例:店舗内装工事費、作業用機器購入費)、マーケティング費用(市場調査委託費、広告宣伝費)、研修費(起業に必要な技能習得の研修受講料)、専門家謝金(事業計画策定や商品開発の専門家への謝礼)など、事業計画遂行に必要なものが幅広く含まれます。一方で、土地・建物の取得費や車両の購入費は原則補助対象外とされています。また人件費や光熱水費等の経常経費も対象外です。補助対象期間内(交付決定から概ね半年~1年程度)に発注・支出が完了するものが対象となり、期間を過ぎると補助されません。支援金はあくまで実費精算払いであり、当初に示した経費見積に基づき補助対象と認められた経費の1/2が上限200万円まで交付されます。例えば総経費300万円の場合、1/2の150万円が交付額となります。採択後に経費科目や金額を変更する場合は事前承認が必要です。
補助率・上限額
補助率は経費の1/2以内、補助上限額は200万円です。例えば起業に要する経費が400万円の場合、最大200万円が支援金として支給されます。支給は精算払い(一旦全額自己負担した後、補助分を受け取る)となります。なお、起業支援金と後述の移住支援金を合わせて受給する場合、起業支援金200万円+移住支援金100万円(または60万円)の合計で最大300万円(単身者は最大260万円)の支援が受けられます。複数人で共同起業するケースでは代表者1名に対し200万円まで支給されます(共同経営者それぞれには支給されない点に注意)。また、自治体によっては市町村が独自に上乗せ補助をする例もありますが、基本的に国の枠組みとしては一律200万円が上限です。支給された支援金は課税上は一時所得扱いとなり、必要経費を除いた所得額によっては課税対象となる可能性があります(ただし通常は200万円以下なので非課税範囲となることが多いです)。
申請手続きと注意点
応募には都道府県が指定する公募期間内に申請書類を提出する必要があります。書類審査では前述した「社会性」「事業性」「必要性」の観点で計画内容が評価されます。一次審査通過者に対してはプレゼンテーション等の面接審査が実施され、最終的な採択者が決定します。採択後、都道府県が選定する支援機関(執行団体)の伴走支援のもとで起業準備を進め、所定の期間内に開業届提出または法人設立を行います。事業開始後、計画に沿って経費を使い事業を実施し、期間終了後に実績報告と経費証憑を提出します。内容確認後、支援金(補助金)が精算払いで交付されます。起業支援金は交付決定後に事業着手する必要があるため、公募前に支出した経費は対象外となります。また、起業後は5年間事業を継続し、定期的な状況報告が求められます。もし途中で事業を廃止した場合や、要件を満たさなくなった場合は支援金の返還を求められることがあります。公募は年1回程度各県で行われますが、自治体により実施スケジュールが異なるため各都道府県の案内を確認してください。
採択率・審査ポイント
起業支援金の採択件数は予算の範囲内で各都道府県が決定します。人気の高い都市圏近郊では競争率が高くなる傾向がありますが、採択率は明確に公表されていません。審査では地域課題への貢献度が高く、かつ事業計画が現実的で持続可能かどうかが最大のポイントです。利益追求一辺倒ではなく地域のためになる事業であること、しかし補助金に頼り切らず事業として自立し得る収益性も備えていること、このバランスが評価を左右します。また、起業後の定住意思や地域ネットワークの構築状況(地元自治体・関係団体との連携等)も加味されます。書類上でその地域で事業を根付かせる熱意と計画性を伝えることが重要です。全体的に、地方で腰を据えて社会的課題に取り組む強い意志と、それを支える具体的プランがある起業家が採択されやすいと言えます。
関連リンク
起業支援金について、さらに詳しく知りたい方は、以下の公式サイトや、各都道府県の案内ページなどをチェックしてみてください。
- 内閣府 地方創生「起業支援金」公式ページ(制度の概要や、全国でどんな自治体が実施しているかなどが分かります)
- 総務省 「地方創生起業支援事業の概要」(対象となる事業や要件について、さらに詳しく説明されています)
- 各都道府県の起業支援金の募集案内ページ(例えば、「長野県 ソーシャルビジネス創業支援金 募集要項」などで検索してみてください)
9. 移住支援金(地方創生移住支援事業)
「移住支援金」は、文字通り、東京圏から地方へ引っ越して、そこで仕事を見つけたり、事業を始めたりする方に対して、引っ越しにかかる費用や、新しい生活を始めるための費用をサポートしてくれる、ありがたい支援金です。
概要
移住支援金は、東京圏から地方へ移住する方に対して支給される引っ越し支援金です。具体的には、東京23区(または通勤通学で東京23区に関わっていた周辺地域)から地方(東京圏以外、または東京圏内の条件不利地域)に移住し、そこで就業または起業した場合に支給されます。支給額は単身で最大60万円、世帯(2人以上)で最大100万円と定められており、さらに起業支援金との併用により合計最大300万円(世帯の場合)まで受け取ることも可能です。この制度は2019年度に開始され、地方での人材確保や起業促進、東京一極集中の是正を目的として実施されています。移住者にとって、引越費用や生活立ち上げ費用の一助となる嬉しい支援策と言えるでしょう。
対象者(移住元・移住先・就業形態など)
東京23区在住者もしくは東京圏在住で23区へ通勤していた方が、東京圏外の地域(または東京圏内の過疎地域等)へ移住した場合が対象です。加えて、移住先での就業または起業について以下の条件を満たす必要があります。
- 就業の場合:移住先都道府県が運営するマッチングサイト等に掲載されている中小企業等の求人に応募し、新規雇用されたこと。かつ、1年以上継続雇用の見込みがあること。転職前に在職していた企業と資本関係がないことなども条件です。
- 起業の場合:前述の起業支援金の交付決定を受けて起業したこと(つまり地方創生起業支援事業の採択者であること)。
さらに共通要件として、移住支援金の申請時点で移住後3ヶ月以上経過し、かつ1年未満であること、そして今後も継続してその地域に居住する意思があることが求められます。世帯で申請する場合は、2人以上が移住し、そのうち1人が就業または起業要件を満たし他の家族は移住元で就業していなかった等の細かな条件があります(詳細は各自治体の案内参照)。簡潔に言えば、「東京→地方」へのUIJターンで、地方で定められた求人に就くか、地域課題解決型起業を行った人が対象となる制度です。
支給額と受給方法
支給額は単身者60万円、世帯(2人以上)100万円が基本です。世帯向けの額は、夫婦や親子など2名以上で移住した場合に適用されます。また、移住先が条件不利地域(過疎地域等)である場合、都道府県によっては支給額に加算措置(例えば単身+30万円、世帯+30〜100万円上乗せ等)を講じているところもあります。支援金は移住後に申請を行い、一度きり支給されます。申請窓口は移住先の都道府県または市町村で、就業証明書や住民票写しなどを提出して申請します。多くの自治体では移住後3~6ヶ月経過後から申請可能となっており、審査・交付決定を経て指定口座に支援金が振り込まれます。受給した移住支援金は課税上、一時所得または雑所得として扱われる可能性がありますが、60万~100万円程度であれば基礎控除内に収まるケースも多いでしょう(詳しくは税務署等に確認)。なお、受給後5年以内に転出した場合や起業・就業を辞めてしまった場合には、支援金の全額(場合により半額)を返還する義務があります。このため、安易なお試し移住ではなく、腰を据えて定住・就業する意思のある方への支援と位置付けられています。
申請手続きと注意点
移住支援金を受け取るには、まず移住前に東京圏での居住・通勤要件を満たしていることを確認します。一般に「直近5年間のうち通算5年以上東京23区に在住または通勤していた」こと等が求められます(細かな要件あり)。次に移住先で仕事を探す際、各都道府県が指定する求人サイト(例:「福島移住計画」など)を通じて対象求人に応募・採用される必要があります。起業の場合は起業支援金の応募・採択プロセスが先行します。移住し住民票を異動した後、一定期間経過後に都道府県の窓口へ申請書類を提出します。申請書類には、移住元・移住先の住民票や在勤証明、就業先企業からの就業証明書、起業の場合は起業支援金の交付決定通知書などが含まれます。提出後、都道府県と市町村により要件充足の確認・審査が行われ、問題なければ1〜2ヶ月程度で支給決定・振込となります。
注意点として、移住支援金と他の移住奨励制度の併用は自治体によって制限がある場合があります。例えば、市町村独自の移住奨励金を受け取った場合、重複受給不可とする例もあります。また、移住支援金の対象求人であっても、一部の特殊法人や親族経営企業への就職は除外されるなどの細かな規定があります。さらに、移住支援金は基本的に一世帯一回限りの支給です。夫婦で別々に単身扱いの申請はできません。加えて、5年間の定住義務にも留意が必要です。万一早期に都市部へ戻ることになった場合、返還リスクがあるため、計画的に移住を検討しましょう。
効果と利用状況・審査ポイント
移住支援金は地方へ人材を呼び込む施策として全国で広がっており、2020~2023年にかけて多くの自治体で利用実績が出ています。採択率という概念はありませんが、要件を満たす方で書類に不備がなければ基本的に支給されます。重要なのは、移住後に定着して働き続けることです。したがって、申請段階というより、移住前の段階で「本当に移住して生活できるか」「その地域で続けられる仕事か」を自己確認しておくことが肝要です。審査ポイントは要件の適合性チェックが中心で、地方創生の趣旨に沿った移住・就業であるかを形式的に確認します。適合していれば支給されるため、該当しそうな方は見逃さず申請するのがおすすめです。
関連リンク
移住支援金について、さらに詳しく知りたい方は、以下の公式サイトや、各都道府県の案内ページなどをチェックしてみてください。
- 内閣府 地方創生「移住支援金」公式ページ(制度の概要や、よくある質問などが掲載されています)
- 各都道府県の移住支援金の案内ページ(例えば、「長野県 移住支援金 ご案内」などで検索してみてください)
- 総務省 地方就職支援金(この制度と関連のある、新卒者向けの地方就職支援制度などが紹介されています)
まとめ:自社に合った制度を見つけ、資金調達を成功させよう
ここまで、2025年版として、これから事業を始めたい起業家さんや、すでに事業を営んでいる中小企業の皆さんが活用できそうな、代表的な補助金や融資制度を9つご紹介させていただきました。ものづくり補助金、IT導入補助金、そして新しく始まった省力化補助金は、会社の設備投資やデジタル化を後押ししてくれる制度ですね。小規模事業者持続化補助金は、文字通り小規模事業者さんの、日々の販路開拓や業務効率化を応援してくれる、心強い味方と言えるでしょう。そして、ローカル10000や日本公庫の融資、信用保証協会の保証、起業支援金、移住支援金といった制度は、特にこれから創業する方や、地方で事業を展開したいと考えている方にとって、大きな助けになる可能性があります。
それぞれの制度には、どんな人が対象になるのか、どんな費用が補助や融資の対象になるのか、もらえる金額の上限はどれくらいか、申請するためにどんな条件があるのか、どうやって申請するのか、といった点で違いがあります。ですから、あなたの会社の今の状況(創業期なのか、もっと成長したい時期なのか)、これからどんなことに取り組みをしたいのか(新しい設備を入れたいのか、もっとIT化を進めたいのか、お客さんを増やしたいのか)、そして事業を行っている場所(都市部なのか、地方なのか)などをじっくり考えて、どの制度があなたの会社にとって一番合っているのか、検討してみることがとても大切になるでしょう。
ご紹介した多くの制度で、あなたの事業への思いや具体的な計画を書いた「事業計画書」の提出が求められます。そして、その計画書の質が、補助金や融資をもらえるかどうかの審査の鍵となることが多いようです。また、必要に応じて、国の共通認証システムであるGビズIDを取得したり、商工会議所、IT導入支援事業者、金融機関、あるいは専門家など、様々な支援機関や専門家の方と連携したりすることも必要になるかもしれません。
これらの制度を上手に活用することができれば、資金に関する負担を減らして、あなたの事業を成功させるための大きな一歩を踏み出すことができるはずです。まずは、この記事を読んで気になった制度の公式サイトや、それぞれの支援機関の情報を、もう少し詳しく調べてみてはいかがでしょうか。そして、もし分からないことや不安なことがあれば、迷わず専門家の方に相談してみることを、心からお勧めいたします。
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