(記事更新日:2025年7月11日)
目次
教員向けの生成AI活用事例
生成AIを活用することで、一番大切な生徒に、そして生徒を思って働く先生に恩恵が大きいです。
この記事では、国内外の取り組みを紹介します。
教員の方には、事務作業の負担削減、教材作成・生徒支援業務に大きな期待が寄せられています。
また、生成AIをが、個別最適な学びの実現に向けた取り組みとして注目されています。
実務で生成AIがどう活用できるか、プロンプトとともに紹介します
実務1 教材作成や生徒評価
教材作成
例えば、生成AIに表を作らせることができます。
コチラは、私が社会科の塾講師時代に、ChatGPT を使って作った表です。
都市名・人口・移行年月日 を列の項目に
都市を行にして
表にして
(wikipediaの政令指定都市の文章部分を貼り付け)

これで、文章から表を生成しました。本来なら、wordで一から「表を作って、項目にコピペして、行を追加して、、」という作業が必要ですが、生成AIで1発で構造的な表を作らせることができます。
これで、教材を作成にかかる時間と、頭の負担が削減できました。
このように、生成AIは文章から画像や図表を生成できます。
先生が教材作成にかかる時間と、頭脳の労働負担を削減できます。
例題生成
この他、例題データさえ与えれば、生成AIが、その例題を元にして、似たような問題を作ってくれる、そんな利用も可能です。最近のAIは、精度が高く、ハルシネーション(虚構)が少なく、言語を生成するのに特化しているため、可能になっています。
文章評価
また、生徒が送ってきた文章についても、評価可能です。
先生の視点で評価項目さえしっかりと作っておけば、生成AIに独自の基準から評価させることができます。
文章を点数化したり、生徒の文章を「今日は時間がないから要約したものだけを読む」、など、文章チェックについて、先生の脳の負担を減らすことができます。
ただし、AIの出力には、必ず人間がチェックしてください。(human in the loop)
AIを使わずにしっかりとチェックしたい、時間がないから仕方ない、AIで、という選択が先生の中に生まれます。
AI-swiftでは、このような実務にお役立ちする生成AI活用の相談を随時受け付けています。30分無料の生成AI相談はコチラからご予約できます。
実務2 個別最適な指導・より情緒面での支援が可能に
例えば、学習にあたって、簡単な問題や、基礎的な知識の習得は、生成AIに聞く。
難しかったり、理解に時間が必要な問題については、先生が時間をかけて解説する、こんなスタイリッシュな勉強が可能です。また、生成AIは、言語を操るのが得意です。ですので、プログラミングのコードや外国語の学習補助に役立ちます。
AIはあくまで学習補助の、自分だけのチューターとしての活用。
先生には、難しい問題を聞く、情緒的なやりとりをする。
先生は生徒に対して、情緒や感情面での充足した支援が可能になります。
実務 3 行政業務の自動化
例えば、先生が普段行う事務作業で、メールや連絡文書の作成を行うことができます。
GoogleのGenerative AI for Educatorsコースでは、AIを使って保護者へのメールや学校内での連絡文を迅速に作成する方法が紹介されています(2時間で完了・無料・修了証付き)
このほか、Eduaide.Aiというツールは、教員向けに授業プランや教材作成を支援するツールを提供しています。学年や科目に合わせたクイズ、評価シート、授業計画を生成できます。
具体的な取り組みやニュース
ここからは、国内外の生成AIの取り組みをご紹介します。
文部科学省(国)
日本では、文部科学省が教育現場での生成AI活用を推進しています。生成AIパイロット校を指定して、事例を収集しています。パイロット校の成果は、「リーディングDXチャンネル」のYouTubeで動画が見ることができます。
初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン(2023年7月 発表・2024年12月改訂)
こちらの動画では
- 2025度は、66校がパイロット校に指定
- 先生方の、働き方改革で、校務にも利用されている
と紹介されています。
東京都の取り組み
東京都教育委員会は、2025年5月に全ての都立学校(256校、約14万人)で生成AIを活用した学習を開始すると発表しました。この取り組みにより、AIを活用した教育が全国的に広がることが期待されています。
海外の具体例
ハーバード大学の「Teach with Generative AI」では、AIをチューターとして活用する例も紹介されています。
MIT SloanのTeaching & Learning Technologiesでは、AIを使って教室でのエンゲージメントを高める具体的なガイドを提供しています。
記事で紹介したツールとリソース
- ChatGPT
文章で命令するだけで、文章・表・画像・動画の生成ができます。
教材作成だけでなく、校務にも先生の補助が期待できます。 - Google: Generative AI for Educators
教員向けの無料オンラインコースで、AIの基本的な理解から実践的な活用方法までを学べます。特に、日常業務の効率化や授業の創造的な向上に焦点を当てています(参考URL)。 - Eduaide.Ai
教員向けのAIワークスペースで、レッスンプランや教材の作成、フィードバックを簡素化します(参考URL)。 - MIT Sloan Teaching & Learning Technologies
生成AIを教育に活用するためのガイドやツールを提供しています(参考URL)。 - ハーバード大学: Teach with Generative AI
生成AIを教室に取り入れるための具体的な例とリソースを提供しています(参考URL)。
注意点と倫理的考慮
生成AIの出力は常に正確とは限らないため、教員が最終的な判断を下す必要があります。特に、生徒の学習に直接関わる内容については、教員の専門性が不可欠です。
また、AIに送るデータが個人が特定されないように注意が必要です。
著作権の遵守に注意する必要があります。また、生徒がAIを不正利用しないよう教育することも重要です。
文部科学省のガイドラインでは、留意点が示されています。